「河内音頭」は、八尾(大阪)を代表する盆踊り音頭であり、現在の河内音頭のルーツは、河内の北部(現大阪府交野市周辺)で唄われていた「交野節」をアレンジした「歌亀節」が原型と言われています。

第二次世界大戦後、河内音頭は時代の変移とともに、浪曲やジャズ、フォークなど様々な音楽の要素を取り入れながら、現在も進化し続けています。

また、河内音頭には楽譜がないのも特徴のひとつで、唄いたい歌詞(物語)を、自由にアレンジした楽曲にのせて聴かせます。そのため、河内音頭は「唄う音頭」であると同時に、「語り芸」としても位置付けられており、民謡で「一曲唄う」と言うのに対して、河内音頭では「一席詠む」と言います。

音頭のテーマには、「河内十人斬り」や「悪名」等の有名な題目があり、その時代の時事ネタなども音頭に取り入れて詠まれています。

八尾と河内音頭

さては一座の皆様へ、
八尾は河内音頭の本場です。

今日では全国的に愛聴されている河内音頭。

一説によると、河内音頭の発祥地は、八尾市本町に山門を構える常光寺にあると言われています。
常光寺の歴史は古く、奈良時代初期の開創と伝えられ、時の聖武天皇の勅願寺の一つでした。
室町時代に、三代将軍足利義満は、荒廃していた常光寺の伽藍(がらん)を再建。
建築資材の木材は、京の都から淀川、旧大和川を運ばれて、往時の八尾に到着したといいます。

この木材を運ぶ際の人々の掛け声が、木遣歌(きやりうた)となり、やがて念仏踊りと溶け合って、
八尾の流し音頭「流し節正調河内音頭」として、いまも常光寺に伝承されています。

第2回八尾まつりパレード
第8回八尾まつり 初音家櫓

河内音頭の源流と言われる、「流し節正調河内音頭」。
常光寺では、毎年8月23・24日の2日間、この流し節も披露される地蔵盆踊りが催され、夜遅くまで多くの人々の踊りの輪で賑わいます。

平成8年には環境庁の「残したい日本の音風景100選」にも選ばれた常光寺の河内音頭を筆頭に、八尾市では毎年7月~9月にかけて、市内各所で盆踊り大会が開催され、河内音頭の調べとともに、多くの踊り手が集います。

近年ではジャイナ音頭や恩智音頭などの伝承音頭に加え、ジャズやロック、ヒップホップやラテンなど、さまざまにアレンジされ、進化し続けている河内音頭も楽しめます。

伝統と革新が融合する、八尾の庶民文化。
いまや河内音頭はカタチにはまらない芸能文化として、世代を繋ぐ絆として、やぐらの周りには幾重にも踊りの輪が広がります。
世代を超えて、人と人の心を繋ぐ踊りの輪のこそ、河内音頭に育まれた八尾の精神風土なのかも知れません。

河内音頭の踊り方

河内音頭の踊り方

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八尾正調河内音頭踊りの踊り方